華流映画「少年の君」学歴社会の闇…優等生の少女と不良少年の絆を描く!見どころと感想

サスペンス映画

華流映画「少年の君」優等生の少女と不良少年の絆

2019年の中国・香港合作映画『少年の君』(しょうねんのきみ、原題:少年的你、英語題:Better Days)。

原作はチオ・ユエシーのオンライン小説『少年的你,如此美麗』です。

残念ながら日本語版の小説の販売は見当たりませんでした。

この映画は様々な事情により殆ど宣伝が行われないまま公開されましたが、興行収入250億円ほどのヒット作になりました。

香港のアカデミー賞ともいわれる香港電影金像奨では作品賞・監督賞・主演女優賞を含む8冠を達成。

主演を務めたのは、中国で最も注目される二人の若手俳優、チョウ・ドンユイとイー・ヤンチェンシー。

チョウ・ドンユイは、映画『サンザシの樹の下で』で透明感のある少女を演じ中国では「13億人の妹」と呼ばれる人気女優です。

本作が初主演映画となったイー・ヤンチェンシーはTFBOYSのメンバーの国民的なアイドル。

人気女優と国民的アイドル二人が優等生と不良少年となり、いじめ問題や貧困、学歴社会や貧富の差の問題提起する見どころ満載の作品となっています。



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あらすじ

少年の君

進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン。

全国統一大学入試(=高考)を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め卒業までの日々をやり過ごしていた。

そんな中、同級生の女子生徒がクラスメイトのいじめを苦に、校舎から飛び降り自らの命を絶ってしまう。

少女の死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホのレンズ、その異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、遺体にそっと自分の上着をかけてやる。

しかし、そのことをきっかけに激しいいじめの矛先はチェン・ニェンへと向かうことに。

彼女の学費のためと犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、頼る者もないチェン・ニェン。

同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、とっさの判断で彼シャオベイを窮地から救う。

辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、ストリートに生きるしかなかった不良少年。

二人の孤独な魂は、いつしか互いに引き合ってゆくのだが・・・。

公式HP→「少年の君」公式HP(https://klockworx-asia.com/betterdays)/

予告動画

登場人物紹介

  • チェン・ニェン(陳念)-チョウ・ドンユイ
  • 内向的で平凡な優等生。
    大学受験のため進学校に通っている。

  • シャオベイ(小北)-イー・ヤンチェンシー
  • 本名はリウ・ベイシャン(劉北山)。
    学校に行っていない不良少年。
    母に捨てられ、立体交差橋の下で一人暮らしをしている。

  • チェン・イー(鄭易)-イン・ファン
  • 青年刑事。

  • ラオヤン(老楊)-ホアン・ジュエ
  • チェン・イーの先輩のベテラン刑事。

  • ジョウ・レイ(周蕾)- ウー・ユエ
  • チェン・ニェンの母親。
    チェン・ニェンの学費を稼ぐためインチキ化粧品の違法な販売に従事して、借金を抱える。
    借金取りから避けるため、娘を家に一人させることが多い。

  • ウェイ・ライ- チョウ・イエ
  • チェン・ニェンのクラスメイト。
    いじめ集団の一人で、リーダーとも言える人物。

    成績が学年上位だが、昨年の受験に落ちてもう一度一年を学ぶことになった、いわゆる「復読」生。

見どころ紹介

独特なストーリー

少女

チェン・ニェンが教師として教壇にたつところから始まる「少年の君」。

クラスから浮いているような印象を受ける少女に姿に自分の学生時代を重ね気にかけます。

チェン・ニェンの学生時代とは・・・?

中国において学歴とは日本とは比べ物にならないくらい重要なもの。

一人っ子政策で親からに期待を一身に受ける子供たちのプレッシャーははかりしれません。

そのストレスのはけ口は、いじめへとつながる・・・。

壮絶ないじめにも耐え抜いたチェン・ニェンを支えたのは親から捨てられ、橋の下で一人で暮らす不良少年シャオペイでした。

物語が進むにつれて、映画の謎や伏線が徐々に明かされていくストーリーにどんどん引き込まれていきます。

素晴らしい演技

少年少女

本作に出演する俳優たちは、繊細で感情豊かな演技で観るものの心をつかみます。

特に、主演のジチョウ・ドンユイは、少女時代のニェンと成長した後のニェンを見事に演じ分けており、その演技力は圧巻。

イー・ヤンチェンシー演じるシャオベイは友だちといるときの無邪気な笑顔とニェンを守るための背伸びした大人の顔、刑事に立ち向かう姿は強さとはかなさを併せ持っていました。

2人のあやうさ、せつなさは観終わったあとにも心に残ります。

青春期の苦悩と友情

学歴社会の中国において子供への親の期待ははかりしれません。

その中で子供が抱えるストレスのはけ口がいじめに向かうことは多くあることだと思います。

周りになじめず、また馴染もうとしなかったニェンは格好の的となり、壮絶ないじめを受けることに・・・。

それでも友人が選んだ選択をせず、勉強をして大学に合格することを目指し続けれたのはシャオペイという支えがあったから。

一線を超えることなく、ニェンを支えるシャオペイのひたむきな優しさは友情と愛情の狭間にあり、心を打たれるものがありました。

感想

華流映画にはまったきっかけになる映画になりました。

中国の生活、学歴社会、貧富問題などがもりこまれ、過剰な学歴社会における子供のストレス問題などがわかりやすかったです。

貧困から脱するためには学歴を手にすること。

しかしながら、学校にいる上流階級からいじめの対象にもなりやすい。

これはどこの国でも同じような問題なのだなぁと感じました。

それにしてもチョウ・ドンユイがかわいい!

調べてみたら中国でも大人気の女優さん。

現在は32歳なのですが、いまだあどけない雰囲気といまにも折れそうな華奢な体。

目を引く美人っていうわけではないですが、「華」があるという言葉がぴったりな女優さんです。

言葉数は少なくても、守りたくなるような影と、反して芯がありそうな強さも備えて見える。

チョウ・ドンユイをみるだけでも価値のある映画でした。

Xの感想ポスト

「エンドロールのメッセージも良かった!」と言われています。

「気持ちをとても複雑にされつつも良い作品だった。」と言われています。

「ああ、いい映画を観たなと心から思った。」と言われています。

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