映画『ザ・セル/The Cell』考察|映像の世界感が美しい映画

セル サスペンス映画

映画『ザ・セル/The Cell』考察と感想

美しくも奇怪な〇人鬼の意識下を具現したビジュアルや息詰まる物語が展開する映画です。

「ドラキュラ」でアカデミー賞衣装デザイン賞に輝く石岡瑛子による衣装がとにかく素敵。

ジェニファー・ロペスの美しさに圧倒される作品です。

THE CELLと調べると、細胞分子生物学という雑誌にたどり着きます。

他人の内面世界に細胞レベルで入り込むという意味合いもあるのかもしれません。

謎の多い世界感に包まれた映画の考察と感想を紹介します。

マニアックな描写もあって、好きな人にはグッとくる映画だと思います。



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あらすじ

cell

若き心理学者キャサリンは、最先端の技術を使って研究患者の精神世界に入り込む治療を行っていた。

ある時、逮捕された異常連続〇人犯カール・スターガーの脳に入り、彼が拉致した女性の監禁場所を探り出して欲しいとFBIからの依頼を受けることに。

キャサリンは、危険人物の潜在意識に入る、そして前代未聞の危険な冒険に挑み始める。

予告動画

キャスト紹介

  • キャサリン・ディーン(ジェニファー・ロペス)
  • 小児精神科医。
    最新技術により他人の内面世界に特殊な機器を使って入り込む。

  • ピーター・ノヴァク(ヴィンス・ヴォーン)
  • FBI捜査官。
    カールに連れ去られた被害者を探すため、内面世界へのアクセスを依頼する。

  • カール・スターガー(ヴィンセント・ドノフリオ)
  • 連続〇人犯。
    分裂症の既往があり、逮捕時には昏睡状態に。
    幼少期に虐待されていた。

  • ミリアム・ケント博士(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)
  • 内面世界に入り込む装置を研究している。

  • エドワード・ベインズ(コルトン・ジェームズ)
  • 昏睡状態の少年

『THE CELL』考察※ネタバレ注意

内面世界・精神世界とは

装置
簡単に説明すると、相手の思考の中、夢の世界に入り込めるというものです。
人間が夢を見ることについては、まだ解明されていない不思議な世界。
一説には、眠っている間も脳は活動していて、抑圧された願望が夢に現れるとも言われています。
しかし、ほとんどの夢は朝起きたとたんに忘れてしまう。
夢を見ていないと思っているのが錯覚で、ほんとはみているけれど、忘れている、というのが正解のようです。
この映画ではその夢の世界、昏睡状態の少年の世界の中へ小児精神科医であるキャサリンが入り込み、心に呼び掛け、意識の回復を促すというもの。
とても美しい子供の精神世界と連続〇人犯の精神のおぞましい世界の対比が素晴らしいです。

美しい映像美

ジェニファー・ロペス
映像美もさることながら、ジェニファー・ロペスの美しさに圧倒します。
日常でのキャサリンと精神世界の夢の世界のキャサリン。
どちらもほれぼれしちゃいます。
ジェニファー・ロペス
美しい世界感の立役者はなんと日本人。
石岡瑛子(いしおかえいこ)さんがデザインし、アカデミー賞も受賞しています。
石岡瑛子さんの経歴は以下のとおりです。
1938年東京都生まれ。
アートディレクター、デザイナー。
東京藝術大学美術学部を卒業後、資生堂に入社。
社会現象となったサマー・キャンペーン(1966)を手がけ頭角を現しました。
独立後もパルコ、角川書店などの数々の歴史的な広告を手がけ、1980年代初頭に拠点をニューヨークに移し、映画、オペラ、サーカス、演劇、ミュージック・ビデオなど、多岐にわたる分野で活躍。
マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットデザインでグラミー賞受賞(1987)、映画『ドラキュラ』の衣装でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞(1993)。
2008年北京オリンピック開会式では衣装デザインを担当しています。

ゆめちゃん
ゆめちゃん

しかし2012年に亡くなられたみたい。残念です。

昏睡状態の少年エドワード

エドワードの世界
裕福な家庭の子供であるエドワードは分裂症により、昏睡状態が続いています。
この少年のために研究され続けいてると言われても過言ではない様子。
しかし、砂漠の広がるエドワードの世界に入り込み、呼びかけますがなかなか成果が現れません。
連続〇人犯のカールが逮捕され、キャサリンが精神世界に入り込んでも被害者の情報が得られず苦戦するなか、エドワードでは試せれなかったキャサリンの世界に呼び込むという方法をとることになるのですが。
実は、この実験には3人まで繋がれるという伏線があり、私はてっきり、エドワードが関係してきてその過程でエドワードも目覚めるのでは?と期待しましたがそれはありませんでした。

3人目につながれるのは?

ピーター
危険な賭けに出た3人目。
それはFBI捜査官のピーターでした。
強烈な連続〇人犯の精神世界に飲み込まれてしまうキャサリンを救うために装置につながれるのですが、ピーターにも心の闇がありそうです。

しかし、映画の時間内ではそこまでの深堀はなく匂わせる感じで終わっていきました。
キャサリンといい雰囲気になりかけますが、そこはこの映画には必要なかったみたいであっさりと終りました。

猟奇連続〇人犯の印象が薄い

ピーター
精神世界の映像に見とれすぎて、なかなかの猟奇〇人の印象が薄くなっています。
そこが少し残念。
FBIの狙撃犯まで登場するほど家の包囲した凶悪犯にもかかわらず、あっさりと昏睡。
昏睡
映像美に埋もれてしまったけれど、なかなかまれにみるほどの恐ろしい犯行。
女性を水槽に入れ、水を満たしていく。
水槽
その様を映像に取るおぞましさ。
映像
溺シしたシ体を自宅に持ち帰り、性的倒錯する犯人は異様な光景でした。
なのに、ジェニファー・ロペスの美しさが強すぎて、印象にあまり残らなかったなぁ。
ジェニファー・ロペス

ゆめちゃん
ゆめちゃん

美しいって罪。。。

性的倒錯ボディサスペンション

ボディサスペンション

ボディ・サスペンションとは。
人体にフックを通して体を吊り下げるもの。
ピアスのように体に留め具をいくつもつけておきます。
こうすれば、自分で釣り上げるのも容易。ってサラッと流されたけど、なかなかの衝撃でした。
フックを通した皮膚には痕が残り、フックや吊り下げるための器具をそのまま身体に残すことも。

ゆめちゃん
ゆめちゃん

犯人はこのバージョン

類似した伝統的行為として北米インディアンの「サンダンスの儀式」の「ピアッシングの苦行」があると言われています。
犯人はシ体をベッドに寝かし、自分の体を宙に浮かせ、性的倒錯に陥る。
じつはこれだけで、映画ができちゃうのでは?と思うくらいの作りこみでした。

猟奇連続〇人犯の闇

儀式
犯人が『水』や『溺シ』にこだわるのは幼少期に行われた割礼が独特なものだったからです。
池か川らしき場所で大人が集まり、子供を水に沈めるというもの。
夢の世界でカールは「溺れシぬ恐怖を味わった」と言います。
周りにいた大人は誰一人助けようとせず、絶望したと。
それが猟奇的〇人とつながるのは別問題だなぁとは思うのですが、人の心の闇はわからないので、まぁそこは…。
カールの精神世界はエドワードとは違い地下の世界でした。
エドワード
子供のカールは素直さが残り、虐待に怯えるかわいそうな子供です。
話しかけようとするキャサリンから一度は逃げますが、助けを求めるような表情も浮かべます。
カールの世界
大人になったピーターは悪の王様のような風貌で、キャサリンも戻ることを忘れカールの世界感に引き込まれそうに。
そこを助け出したのがピーターだったということでした。

感想ツイート

「観て欲しい映画!」と言われています。

「一瞬で魅了された」と言われています。

「映画『The Cell』が最高に好きで、デザインすごい。」と言われています。

感想まとめ

一番のお勧めは世界感や衣装の美しさ。
デザインを担当したのが日本人だったという驚きです。
しかも、独特な世界観に負けることなく、存在感を放つジェニファー・ロペスの美しさが見ものです。
考察でも書きましたが、なかなかの猟奇〇人なのに、そこに焦点が当たらない。
映画を観た後に残った印象は、精神世界の美しさ、登場人物の衣装そのものや存在がすごかったという感じでした。
で、ふと、何の映画だったっけ?と我に返ると、あ!〇人犯から被害者を救い出すのが目的だった。と思いだす感じです。
この映画はストーリーそのものを楽しむというよりは映像を楽しむものだと思った方がいいかもしれないです。
時々、行き過ぎ感はありましたが、それもまぁ。良しとしましょう。
映像にこだわりすぎると内容が頭に入ってこないものだなと分かった作品でした。

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