2014年制作のアメリカ合衆国のホラー映画『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』
日本では劇場未公開なので、DVDを購入するか、Amazonprimevideoなどの配信で視聴することが可能です。
POV映画で、ドキュメンタリータッチでとられていますが、伏線回収もちゃんとあるし、ホラー映画あるあるのつっこみどころにも対応していて面白いです。
制作には「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガーも名前も。
主演の ジル・ラーソンはレオナルド・ディカプリオ主演「シャッターアイランド」やドラマ「デスパレートな妻たち」など多くの作品に出演しています。
病気の怖さのドキュメンタリーなのか、看護する娘サラの精神が崩壊するのか。
途中までどんな展開になるのかわからずに、観ていたのですが、なんのことはない。
映画のクレジットタイトルに「この老婆、トラウマ級」と書かれていた!
そして、その副題を裏切らない内容でトラウマ級になる映画です。
あらすじ
医大生のミアはドキュメンタリー映画の制作のためクルーを連れて、ヴァージニア州の田舎町を訪れる。
そこに住むアルツハイマーを患っている老女デボラと娘サラの生活に密着取材する一行。
女手一つでサラを育て上げたデボラは聡明で、意識もしっかりしているものの、夜行症のため夜になると自宅のみならず、庭にすら徘徊していく。
それもアルツハイマーの症状の一つと医者は見ていたが、次第に日中でも言動がおかしくなっていくデボラ。
突然凶暴になって包丁を振り回し、自らの皮を剥ぎ、背中にはおぞましい痣が出現――。
あまりの奇行の数々に恐怖に怯えるサラとミアたち。
しかし、デボラの症状は過激になるばかりで、ついにはアルツハイマーでは説明がつかないほどの恐怖に陥れられる。
予告動画
キャスト紹介
- デボラ・ローガン(ジル・ラーソン)
- サラ・ローガン(アン・ラムゼイ)
- ミア・メディナ(ミシェル・アン)
- ギャヴィン(ブレット・ジェンタイル)
- ルイス(ジェレミー・デカルロス)
- ハリス(ライアン・カトロナ)
電話交換手をしながら女手一つで娘を育て上げた気丈な女性。
晩年アルツハイマー病を発症する。
デボラの娘。
デボラの看護のために帰省している。
医大生。
ドキュメンタリー映画を作成するためにデボラに密着する。
ミアに報酬をもらい映画作成を手伝う。
映画作成を手伝う。
デボラと親しい友人。
映画考察※ネタバレ注意
POV方式の映画「POV映画とは?」
この作品はいわゆるPOV方式の映画です。
ではPOV映画とは、どういう手法なのか調べました。
POVとは「Point of View Shot」の略称で一人物の主観的なカメラ位置で終始撮影される手法のこと。
日本語では「視点」と訳すことができますが、映像を登場人物からの「視点」から観た映画ということになります。
登場人物からの視線と、カメラの視線、ほとんどの作品はハンディカメラを用いられているようにカメラワークを一致させたPOV方式、あるいはPOVショット(主観ショットとも)と言われます。
まるで視聴者が映像の世界を体験しているかのように見せるか、素人による撮影という臨場感やドキュメンタリー映画のような作りになることです。
日本では「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」で、いかにもその場にいたリアルな映像と思わせる手法が話題になったことでも有名です。
この作品もドキュメンタリー映画を撮るという設定で、カメラマンが撮った映像を映画にしているという手法で撮影されいます。
アルツハイマー症とは?
映画ではデボラの異常行動はアルツハイマー病によるもので、その介護をする者の精神状態を調べるという形のドキュメンタリーを撮影することになっています。
アルツハイマー病、日本では認知症と知られる病気は記憶や思考、行動に問題を起こす脳の病気です。
アルツハイマー病は通常の老齢化あるいは精神疾患とは異なり、脳の萎縮によるもので発症すると考えられていますが、いまだ有効な治療法のない病気にもなっています。
認知症とは、日常生活に支障をきたす記憶およびその他の知的活動能力の消失を示す総称となり、認知症の症例において,アルツハイマー病はその60~80%を占めているよう。
米国では500万人以上がアルツハイマー病を患っています。
65歳以上の人口比率の増加によるアルツハイマー病およびその他の認知症患者の数は毎年増え続けているとのこと。
アルツハイマー病は周りの人にもその影響を及ぼします。
介護者は影響を受けるその1人で、 アルツハイマー病にかかった人の介護は時として非常に困難であり、その結果多くの家族や友人が介護者として高いレベルの精神的ストレスや欝を経験するのです。
ミラはデボラの研究のためとサラには説明しますが、実はサラの精神状態を知る目的もありました。
アルツハイマー病の症状は時の経過と共に進み、最終的には脳が委縮し続け、呼吸すら忘れ、「シ」をもたらします。
症状は様々で多くの人々がただの物忘れと思い気づくのが遅れることも多々あるようです。
その他には混乱や慣れた場所で迷う、物を置き忘れる、会話および筆記に表れるなどの症状があらわれ、周りがおかしいと感じ始めることで気がつくこともあります。
病気だと思い続けたわけ
デボラはもともとアルツハイマー病の診察を受けていたために、異常な行動は病気によるものと思われ、あらゆる検査をします。
しかし、アルツハイマー病にしてはおかしな行動やつじつまの合わない部分が出てくるので医者は頭をひねりますが、まさか悪霊だとは思わない。
ここがまず良かった点です。
アルツハイマー病との診断を受けているのだから、そのせいだろうと思うのは納得。
普通はこうするだろうなと思うことが一致していると疑問を持たずにすんなり見ることができます。
サラももちろん病気によるものだと思っているので、仕方なく対応や看護にあたりますが、いよいよおかしいと思い始めるのは映画中盤から。
まさか何かに憑りつかれているなんて普通は思いもしないです。
それでも、恐ろしさを増していく母デボラがアルツハイマー病の域を超えていると思うのもいい作り方でした。
違和感を説明で補った点
ホラー映画にありがちな部分ですが、怖がらせたいのはわかるけど、普通は電気つけるでしょ?と思うことってありませんか?
なにかがあると、怯えながら進むのに、暗いまま・・・。
電気つけないんかーいっ
と思ってしまって、ちょっと白けてしまうこともあるのですが、この映画にはそこがなかったです。
どこかへ行ってしまったデボラを探しに病院の中で閉鎖された部屋に入るのですが、「電気がつかないっ。」と困った風にミアが言います。
懐中電灯をそれぞれが持ちながら探していく部分や、よくあるホラー映画によくあるつっこみどころを意識しているなという感じがあって、「そうよね!」と納得できるのがよかったです。
デボラに憑りついたものは?蛇の謎
サラはミアたちが撮り続けた映像の中におかしな音声が入っていることに気がついたおかげで、原因を調べ始めます。
そして電話交換手をしていたデボラの記録から抜けているページを見つけ、調べると何十年も昔に起きた幼児の連続〇人犯の通話記録だったことがわかります。
その男は近くに住む小児科医で当時4人の女の子が行方不明になっていました。
犯罪の記録には、その男はある儀式をするために5人の女の子を〇害する目的があったようでした。
そして通話内容を知ることができるデボラは次に狙われる女児がサラだということを知り、恐ろしい行動に出てしまったことが原因になります。
この男の儀式の偶像が蛇だったことから、憑りつかれたデボラの周りに蛇がいても不思議ではなくなります。
この映画の一番の恐ろしい場面であるデボラが女の子を飲み込もうとする場面とつながりました。
だからといって、蛇から「お母さん憑りつかれてる」なんて結びにはならないので、山奥に住むデボラの家から蛇が出てきても不思議ではなかった。
ですが、これが伏線だったと考えられます。
今まではデボラの強さに付け入る隙を与えなかったのですが、アルツハイマー病という隙に入り込んできた恐ろしい怨念。
しかし、このデボラの様相を見る限り、男の儀式が成功していたら、その力は手に入っていたのか・・・。
こわい。
POV映画の逃げの部分
最後、デボラが過去の事件の女の子たちが発見された川にある採掘場へと逃げていくのですが、カメラは不具合を起こします。
大事なところでバッテリーがなくなるっていうのは誰でも経験があるように思うので、あるあるとはいえ、「これ濁す気だな。」と思わされます。
電池や電波で映像が乱れるという場面は臨場感を出すためなのかPOV映画では必ず1回はある場面です。
何度も観れば、そういうことか。と思う程度には映っているのかもしれませんが、1度や2度みただけでは瞬間的な映像で状況が分からなくなります。
こういうところはPOV映画の都合のよさを感じます。
いや、過程は?どうやって、そうなった?というのはわからないまま。
それがPOV映画。
デボラの責任能力?
病院から女児を連れ去り、警備員に危害を加えた罪でデボラは裁判にかけられます。
しかし、アルツハイマー病を患い、事件後、さらに病気が進行したデボラには「責任能力がない」という判断で裁判は打ち切られます。
いやいや、この映像残ってるなら尋常じゃないことぐらいわかるでしょ。
と思わずにはいられないのですが、裁判になるのかなぁと腑に落ちない点が最後に残ってしまいました。
悪霊に憑りつかれたは証拠にならないの?
感想ツイート
「全体的にしっかり作り込まれている」と言われています。
「テイキングオブデボラローガン」も「トロールハンター」もどんでん返しがある訳でも凄いCGが登場する訳でもないけど全体的にしっかり作り込まれているのでPOV映画の中でもかなり面白いと思います pic.twitter.com/UOxTNJzgKF
— あぱっち (@TheHiddenKun) May 9, 2020
「地味に好きなホラー映画」と言われています。
地味に好きなホラー映画を毎度思い出す
#テイキングオブデボラローガン pic.twitter.com/dbR7f6RrTU— Nishida.yu (@yuyunishi24) November 17, 2021
「個人的にかなり怖かった。」と言われています。
「テイキングオブデボラローガン」
アルツハイマーの老女を取材するドキュメンタリー形式で話は進む。介護疲れや突飛な行動に悩まされる所から、事態はとんでもない展開を…
個人的にかなり怖かった。ラストの映像はかなり脳裏に残る#映画紹介 #映画好きと繋がりたい #映画 #映画好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/EVZeX2aRiG— しょーいち🤏🤯🤳 (@showsyou) July 14, 2021
感想まとめ
前知識もなく、サムネイルの真っ赤な背景に真っ赤なお婆さんの画像に惹かれ、視聴することになったのですが、面白かった!
アルツハイマー病ってこんなに人を変えるの?と途中まで疑うことなく観てましたが、だんだんあやしくなってくる。
そして期待を裏切ることなく狂気じみていくデボラが怖かった。
あんなに秘密を守ってよくしてくれた友人さえも〇しかねなかった容赦のなさったら。
そして良き母であり、完璧な女性のように思っていた母の驚くような秘密。
アルツハイマー病にならなければ、付け入られずにすんだのか。
娘を守るためだったデボラの行動もこんな形であだとなって返ってきたと思うと悲しい気持ちにもなります。
しかし、裁判が気に食わない終わり方だった。
あれだけ、違う結末が良かったなぁと思わずにはいられないです。
DVD購入・映画視聴方法
DVD
Prime Video
U-NEXT
—————————————————————
日本最大級のビデオオンデマンド<U-NEXT>
—————————————————————
映画、ドラマ、アニメなどの動画が最新作から名作まで充実!
スマホで1000ch以上の音楽放送も楽しめる!電子書籍も読める!
PC、スマートフォン、タブレット、テレビなどで今すぐ「観て」「聴いて」「読んで」楽しめる新しいエンターテイメントサービスです!
31日間無料トライアル実施中!
さらに最新作や電子書籍などが楽しめるU-NEXTポイント600円分もプレゼント!
Hulu
★今なら2週間無料トライアル★
★.:*:’☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆.:*:’★
Huluは人気映画・ドラマ・アニメをいつでも、どこでも楽しめるオンライン動画配信サービスです。
月額933円で作品が好きなだけ見放題。
Huluはスマートフォンのほか、インターネットに接続したテレビ、パソコン、タブレットなどに対応しています。
自宅リビングの大画面テレビで途中まで視聴していた映画の続きを、そのままスマートフォンやタブレットで移動中に視聴することも可能。
今なら2週間無料トライアル実施中です。
★.:*:’☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆.:*:’★
dTV
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
\映画・ドラマ・アニメ・韓流など話題作ゾクゾク追加!/
■□ 映像配信サービス dTV □■
【初回初月無料おためし/dTV】月額550円(税込)映画やドラマ、音楽ライブまで、話題作ゾクゾク追加中!
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
WOWOW有料会員登録
★録画も可能です!★
BSデジタル放送が見れれば、
どなたでも視聴可能!
────────────────
リモコンの「BS」ボタンを押す。
BS1~8chが映れば視聴可能!
録画も可能なので、
レンタルDVDを借りるよりも
お得かも!?
宅配レンタルサブスク【TSUTAYA DISCAS】
TSUTAYAプレミアムなら、月額1,100円 (税込)旧作DVD・ブルーレイを 何枚でもレンタル!
返却期限はありません。
TSUTAYA TVの新作・準新作などを除く「動画見放題」対象作品 約10,000タイトルの中から、PC・スマートフォン・タブレット・テレビのマルチデバイスで動画を視聴できます。
関連記事
廃病院で行われた実験とは・・・
映画『戦慄病棟』あらすじと感想・考察|配信サイトやレンタル情報も
少女に乗り移った悪魔。実話ホラー。
【ポゼッション】ネタバレと感想|「呪いの箱」にまつわる実話ホラー
隔離病棟に隠された恐ろしい秘密・・・
『キュア~禁断の隔離病棟』あらすじ考察|謎だらけの隔離病棟が怖い
子を想う母。母を慕う子の切ないホラー映画。
映画『MAMA』考察と感想|母性ってなに?心に響く切ないホラー