小説『豆の上で眠る』湊かなえ著|あらすじと感想レビュー考察まとめ

豆の上で眠るサスペンス小説

小説『豆の上で眠る』湊かなえ著

「告白」、「白雪姫殺人事件」など数々のヒット作を生み出す作家、湊かなえ先生の作品です。

高校教師をしていた作者は結婚、出産を機に執筆活動を始めます。

2007年に『答えは、昼間の月』で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞。

同年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家としてデビュー。

そして「聖職者」から続く連作集『告白』が2009年、第6回本屋大賞を受賞します。

本作「豆の上で眠る」は失踪した姉「万佑子」。

そこで渦巻く葛藤を小学校1年生の妹「結衣子」の視点で描きます。

大人たちの間で揺れ動く少女。

その心の動きに心が痛みます。

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あらすじ

豆の上で眠る

小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。

スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。

必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。

喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。

―お姉ちゃん、あなたは本物なの?

辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

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あらすじと考察※ネタバレ注意

第一章 帰郷

新幹線
【あらすじ】
大学進学のために神戸に住む結衣子は入院中の母の見舞いに訪れるために岡山に帰郷。
駅に到着したとき、姉の万佑子が友人といるのを見かける。

【考察】
結衣子は失踪した姉が本物かどうかずっと疑っていた。
家族から疎外感を感じ続けていた結衣子の心情が文章からもすごく伝わってきます。
新幹線の隣の席に座った年配の女性が連れていた子猫をみたことで気分が悪くなる。
その意味がこの先の展開でわかることになるのですが、この時に子猫を見たときの気持ちと理由が分かった後の印象は違って見えました。

第二章 失踪

神社
【あらすじ】
「えんどうまめの上のおひめさま 」の絵本を万佑子に読んでもらうのが好きだった結衣子。
夏休み、神社で一緒に遊んだ直後、万佑子が失踪する。

【考察】
第一章のよそよそしくすら感じる姉妹とは思えないほど、仲のいい姉妹。
性格の違う二人を平等に愛する優しい両親と祖父母。
残された母親目線での小説はありますが、妹目線で描くあたりが、さすが湊かなえという感じです。
幼いながらに大人の顔色を見ながらいろいろと考えてる結衣子。
ここまでの事件でなくとも、幼いながらにちゃんと考えていた。
誰しもが経験のある事のように思います。

ゆめちゃん
ゆめちゃん

大人になった今でもその時の感情は覚えてたりします。

第三章 捜索

スーパーマーケット
【あらすじ】
捜索が始まり、いろいろな情報が飛び交う中、有力な情報は得られず万佑子の居場所はわからないまま。
町の大きなスーパーマーケットの駐車場で万佑子の被っていた麦わら帽子が発見された。

【考察】
目撃証言が錯綜する。
しかも目撃者が小学生だった場合の信ぴょう性の薄さ。
自分の発した言葉が独り歩きしてしまい、あたかもそうであったかのように思い込んでしまう。
そんなことはきっとあるし、日ごろの周りの決めつけから評価されてしまうこともあるだろうなぁ。
親身になって心配している自分を演じてしまう。
小学生の年頃ならそういうこともあるだろうなぁと思いました。

第四章 迷走

ねこ
【あらすじ】
母が子猫を連れて帰ってきた。
結衣子は自分の寂しさを埋めてくれるためだったと思いたかったが、実は違う思惑があった・・・。

【考察】
子猫を探す口実に知らない家を訪ね歩くことになる1年生の結衣子。
母の心配やいてもたってもいられず何かをしないと落ち着かない気持ちがわからないではないけれど、危険な行為。
そして、やっぱり結衣子は怖い体験をする
犯人ではなかった男だったが、十分にその要素はあった。
しかもまだ幼い結衣子は自分が怒られる気がしてそのことは誰にも言えないまま。
なんともやりきれない思いです。

ゆめちゃん
ゆめちゃん

お母さんの気持ちはわかるけど、子供を利用してほしくなかった。

第五章 帰還

病院
【あらすじ】
2年がたったころ、行方不明になった神社で発見された万佑子。
病室にお見舞いに行った結衣子が感じたのは「万佑子」ではない。という感情だった。

【考察】
DNA鑑定までして両親の娘であり、自分の姉であることが証明されたが、心のどこかにある違和感が残り続ける。
やっと戻ってきてくれた姉。
素直に喜べるはずが、いろいろな感情や事情がいりまじる。
結衣子は意地悪がしたかったわけじゃない。
真実が知りたかった。
そして、それはしこりとなったまま仲の良かった姉妹には戻ることはなかった

第六章 姉妹

姉妹
【あらすじ】
結衣子は父の携帯を使い万佑子を家にかけつけさせる。
そこで初めて真実が明かされる。

【考察】
万佑子が発した「あなたのいう、「本物」ってなに?」
この言葉がこの小説の一番言いたかったことなんだろうなと感じました。
ずっと感じていた違和感。
だからといって、じゃぁ万佑子はにせものなのか?
そうではなかったはず。
では、もう一人の少女「遥」が本物なのか?

ほんものって何?

ゆめちゃん
ゆめちゃん

ハッとしました。ほんものってなんだろう・・・。

なにをもって「ほんもの」なのか。
疑い続けられた万佑子の気持ち。
万佑子には遥という存在が救いだったのかもしれません。
結衣子にもそういう存在があればまた違ったのかも。

感想ツイート

「流石の筆致でした!」と言われています。

「熱量を持った文章にやられました…」と言われています。

「本ものってなんなんでしょうね。」と言われています。

感想まとめ

小学生目線でほぼ進んでいくストーリーなので、誰もが思い当たる節がある内容だったと思います。

読み進める手が止まりませんでした。

「Nのために」や「夜行観覧車」では主人公が疑い続けてきたことが真実ではありませんでした。

どちらかと言えばハッピーエンドの終わり方とは違い、本作品はまさに自分の疑問は間違っていなかったというもの。

だからといって、誰も悪いわけでもない。

結衣子が言い続けた「ほんもの」。

それは自分の主観で、万佑子からみた「ほんもの」ではない。

誰にとっての「ほんもの」なのか。

結衣子視点で描かれ続けていたので、万佑子の気持ちまでは考えが及びませんでしたが、

万佑子の葛藤も計り知れないものだったと結末では感じることができました。

自分の信じたことだけが本物ではない。ということを忘れてはいけないと思った作品でした。

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