小説『マリアビートル』伊坂幸太郎著|ブラッド・ピット主演で映画化

マリアビートル 小説

伊坂幸太郎『マリアビートル』ブラッド・ピット主演で映画化

2010年9月22日に角川書店より発行された小説です。
『グラスホッパー』の続編として描かれた作品で同作の登場人物も登場します。
第7回大学読書人大賞も受賞しました。

そして!この『マリアビートル』がハリウッド俳優ブラッド・ピット主演で映画化されることに!
簡単ではありますが、小説のあらすじや詳細を紹介します。
テンポよく進む展開に張り巡らされた伏線の数々。
前作のグラスホッパーからも〇し屋も登場します。
登場人物ごとに視点が変わり、読んでいる側だけが全体像が見える面白さ。

まさに伊坂幸太郎作品と言える、会話の楽しさにも読み進める手を止めることができない一冊です。



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あらすじ

マリアビートル

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元〇し屋「木村」。
優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。
闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。
とにかく運が悪く、気弱な〇し屋「天道虫」。
疾走する東北新幹線の車内で、狙う物と狙われる者が交錯する・・・。
小説はついにここまでやってきた。
映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテインメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
※文庫本巻末より

登場人物

  • 木村雄一(きむら ゆういち)
  • 元〇し屋。アルコール中毒だが息子の渉が入院して以降、アルコールを断っている。

  • 蜜柑・檸檬(みかん・れもん)
  • 『果物』
    腕の立つ〇し屋コンビ。峰岸からの依頼で誘拐された彼の息子と支払い済みの身代金の回収を行う。

  • 王子慧(おうじ さとし)
  • 邪悪で狡猾な中学生。外見は普通の中学生ながら、それすら利用して大人を騙し、翻弄する。

  • 七尾(ななお)
  • 『天道虫』
    ついてない〇し屋。業界では天道虫と呼ばれ、真莉亜から仕事の指示を受けている。

  • 真莉亜(まりあ)
  • 七尾に仕事の指示を送る女性。七尾から見て優秀で戦闘力も高いが、自分はあくまで窓口と言って七尾にやらせる。

  • 狼(おおかみ)
  • 七尾に恨みを持つ〇し屋。

  • 木村渉
  • 木村雄一の息子。5歳。
    峰岸良夫
    裏社会の有力者で恐れられる人物。前作『グラスホッパー』で寺原が〇されたことをきっかけに危機感を抱き、現在は盛岡に移り住んで姿を隠している。

  • 峰岸の息子
  • 誘拐されていた峰岸の息子。20代半ばの青年。

  • 王子の協力者
  • 王子との定時連絡が途絶えれば木村の息子を〇す契約をしている男。

  • 鈴木
  • 塾講師。前作『グラスホッパー』の登場人物。

  • 槿(あさがお)
  • 「押し屋」と呼ばれる〇し屋。前作『グラスホッパー』の登場人物。

  • スズメバチ
  • 毒を得意とする〇し屋。前作『グラスホッパー』の登場人物。

『マリアビートル』冒頭部分紹介

新幹線
≪木村≫
東京駅。
幼い息子を屋上から突き飛ばし〇そうとした少年がこの新幹線に乗車するという情報を得た木村雄一は新幹線「はやて」に乗車する。
酒びたりの生活を送っていた木村はこのために酒を断っていた。
しかし新幹線に乗車する少年に近づいた瞬間、木村の体にスタンガンが当てられ気絶してしまいます。
そして目を覚ますと少年に拘束されていた・・・。
≪果物≫
大物「峰岸良夫」から依頼され、監禁されていた峰岸良夫の息子を助け出し、新幹線に乗車。
依頼は息子を助け出すだけにはとどまらず「息子を助け、身代金を持ち帰り、犯行グループは全員〇せ。」というものだった。
しかし、道中さっきまでしゃべっていた息子がシんでいることに気がつく・・・。
≪天道虫≫
受付担当の「真莉亜」からの指示を受け、新幹線に乗車している「七尾」。
いつも「簡単な仕事。」だと説明を受けるが、簡単だったためしがない。
今回の依頼は、誰かの旅行荷物(トランク)を奪って降りる。
それだけだと。
そしてなぜか盛岡までの切符を持ってはいるが、上野で荷物を持ち降りる算段だがちょうど昔の知り合い「狼」に出会ってしまう。
≪王子≫
座席
木村に自分の乗車の情報を流したのは「王子慧」本人だった。
王子は木村の知り合いを利用し、逆に木村のことを調べていたのです。
そして木村が元〇し屋だったことを知っていても怯える様子はなく飄々としている。
そのうえ王子は誰かと連絡を取り、自分が電話に出なかったら病院で眠る木村の息子が狙われることに・・・。
≪果物≫
峰岸の息子がシに、トランクまで盗まれ焦る檸檬と蜜柑。
身代金が入ったトランクを盗んだ犯人は次の駅「上野」で降りるはずだと感づく。
しかし、大宮で峰岸の部下が息子とトランクの無事を確認するために待ち構えていることを思い出す。
≪天道虫≫
乗車口
狼のせいで上野でおり損ねた七尾。
しかもはずみで狼を〇してしまった。
≪木村≫
酒を飲み、息子を病院に連れて行ったあの日。
木村は初めて王子に出会った。
トイレに行くと中学生がたむろし「王子」に失敗したことをどう報告するかを相談していた。
その会話をちゃかした木村。
王子は忍ばせていた盗聴器で盗み聞きをし、息子の渉を連れ去っていた。
その理由は、とんでもないものだった・・・。
≪果物≫
トランクを探しに出た檸檬と蜜柑。
そして大きな紙袋を持った男に話しかける。
男は塾の講師をしていると言った。
そして優等生風の少年からトランクを持った男を見たという情報を得る。
≪天道虫≫
座席
狼を座席に座らせていると優等生面の少年から声を掛けられる。
何とかごまかし、その場をやり過ごし、ふとしたことからトランクの隠し場所を見つける。
そして蜜柑と檸檬をみつけ、今業界で一番だと言われる二人に見つからないうちに大宮で降りることを決意する。
≪王子≫
席に戻った王子は木村に不自然に人を抱えている男と、それとは別にトランクを探している二人組がいたことを話す。
人を困らせたり、狂わせたりするのが好きな王子はこの男たちのことが気になり、また席を立つ。
≪木村≫
席に残された木村は中学生たちがもめているところに通りかかったときのことを思い出す。
なんと、中学生たちのうちの一人が自〇したようだった。
そしてその父親も淫行容疑で逮捕されていた。
木村のひるまない態度を見た中学生たちは「王子のこと、どうにかしてくれよ。」と頼んできた。
席に戻ってきた王子は木村の拘束を外すと頼みたいことがあると言ってくる。
そして、その前に荷物を一緒に取りに行ってほしいとも。
≪槿(あさがお)≫
人ごみに紛れたは槿は横断歩道で止まる男の背中をそっと押した。
衝撃音とともに悲鳴が聞こえる。
槿はすでにその場を離れている。
≪天道虫≫
電車
真莉亜からの電話でおおもとの依頼主が「峰岸」だと知る七尾。
しかも真莉亜にはトランクは3号車と4号車の間にあると情報が伝わっていた。
誰かが情報を漏らしている・・・?

※この時点で、まだ小説の序盤部分です。
単行本では572ページ中190ページまでの情報です。

巻末には「ついてないから笑う」という七尾の短編も掲載されています。

感想ツイート

「エンタメ全開のこの時代のものが一番好きだな。 」と言われています。

「息もつかせぬストーリーとは正にこの事か!!」と言われています。

『ブレット・トレイン』映画情報

ブラットトレイン
まだほとんどの情報は解禁されていません。
予告動画から確認できる出演者は以下のとおりです。

ブラッド・ピットの役名が「レディバグ」ということから、本作の天道虫であることがわかりました。
そして真莉亜こと「マリアビートル」はサンドラ・ブロックが演じます。
とても豪華なキャストに楽しみがいっぱいです。

公式サイトでは作者の伊坂幸太郎先生が直筆で

何この日本!?と驚きつつ豪華な俳優さんたちが生き生きと暴れていることに興奮しました!
暗い気持ちを吹き飛ばす楽しい映画になっているのでは!と期待しちゃいます。

と、メッセージを寄せています。

『ブレット・トレイン』公式サイト(https://www.bullettrain-movie.jp/)

映画『ブレット・トレイン』あらすじ

久しぶりに任務に復帰した〇し屋(ブラッド・ピット)は、あるブリーフケースを盗むよう電話越しに謎の女性から指令を受けます。

彼はコインロッカーに用意されていた銃を敢えて受け取らず、「この仕事には良い運気を感じる」と意気込み超高速鉄道に飛び乗りますが、偶然乗り合わせていた超クセ強の面々に命を狙われるはめに・・・。

予告動画

感想まとめ

奇抜なシーンがないだけに映画化するのは難しくなさそうですが、くるくる変わる視点をどうまとめるのか楽しみです。
映画化のことを知り、再度読んでみましたが、やっぱり面白い。
12年前の小説ですが、全然色あせてませんでした。
蜜柑と檸檬はとても残忍で凶悪な説明書きがありますが、二人の会話からは想像がつかなかった・・・。
するっとニュースで何人を〇し、逃げ出していると書かれてはいるんですよね。
あまりのさりげなさに読み落としてしまいそうになります。
登場人物は〇し屋ばかりなのに、暗さや恐怖感がないのは会話の楽しさからかもしれないです。
切り返しの見事さに感心するばかり。
長編小説なのにあっという間に読めてしまいます。
映画も楽しみ。
公開前に読んでおけば違いも楽しめるかもしれません。
お暇なときにでもぜひ!

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合わせて読みたい「〇し屋3部作」

マリアビートルは2作目になります。
登場人物や内容は異なりますが、キーパーソンとして前作の〇し屋が登場することも。
合わせて読んでおくと面白さが倍増するのでおすすめです。

グラスホッパー【1部】

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【あらすじ】
復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を〇した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる〇し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自〇専門の〇し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「〇し屋」小説!

マリアビートル【今回の紹介作品】

【あらすじ】
幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの〇し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。
闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。
とにかく運が悪く、気弱な〇し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。
映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
『グラスホッパー』『AX アックス』に連なる、〇し屋たちの狂想曲。

AX アックス 【3部】

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【あらすじ】
「兜」は超一流の〇し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

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